共働き家庭学習で東京都内の国立小学校受験ブログ

両親共働きで家庭学習による保育園児の子供2人の東京都内の国立大学附属小学校受験の記録です。計5校の最終抽選を経験するという貴重な体験を踏まえ、家庭での勉強方法や役に立ったもの、国立小学校の特徴などを今後受験を検討される方のために書いていきたいと思っています。

子供にまつわるお金シリーズ① 児童手当

今回は新しいシリーズとして、子供にまつわるお金、というテーマで記事を書いていきたいと思います。初回は「児童手当」になります。

 

お札

 

今までこの手のテーマは書いてこなかったのですが、一応その道の専門家でもあり、子育てにとってお金は避けて通れないテーマでもあり、また特に今回テーマにしている「児童手当」が昨今ニュースでも盛り上がっていることもあり、書いていくことにしました。

 

【児童手当について】

まず、今回テーマにしている「児童手当」は何か、というところから始めますが、これは中学校卒業までの児童を養育している方に支給される手当で、以下の金額が支給されます。実際の支給は年に3回に分けて支給されます。支給は市区町村からされますので、出産した時から漏れなく申請しておく必要があります。また毎年就業状況などを確認する連絡がきますので、それも忘れず対応する必要があります。

  • 3歳未満:月額15,000円
  • 3歳以上小学校修了前:10,000円(第3子以降は15,000円)
  • 中学生:月額10,000円
  • ※ただし、所得制限限度額以上の場合は月額5,000円(特例給付)

 

例えば、2歳の子供、5歳の子供、8歳の子供、の3人の子供がいる家庭の場合は、月額35,000円(15,000+10,000+10,000)もらえることになり、年額で42万円貰えることなります。

最終的に受け取れる総額としては、第1子、第2子は約200万円、 第3子は約260万円受け取れることになります。総額で考えるととても大きな金額ですね。

 

※の所得制限限度額は扶養親族の数によっても違いますが、例えば児童が2人で専業主婦の家庭の場合には、約960万円(給与所得控除後の目安が736万円)となります。

 

【児童手当導入の経緯】

現在存在している児童手当は元々は民主党政権下で2010年に所得制限なく導入された「子ども手当」が、2012年に「児童手当」の名称に変更されたものです。

この財源として、控除から手当にという名目のもと、所得税の年少扶養控除(38万円の所得控除)等を廃止して、本制度が導入されました。(これも問題の一つなのですが、子供に関連する年少者扶養控除については別途記事を書きたいと思います)

 

導入当初は次代の社会を担うこども1人1人の育ちを社会全体で応援する、子育ての経済的負担を軽減し、安心して出産し、子どもが育てられる社会をつくる、という政策目的に基づいて導入されたものです。

以下当時の政府のQ&Aに記載された子ども手当に所得制限を設けないことに対する説明です。この時点では所得制限を設けない方針でした。

子ども手当は、時代の社会を担う子ども一人ひとりの育ちを社会全体で応援するという理念のもと実施するものであり、家計の収入の如何にかかわらず確実に支給されるよう所得制限を設けないこととしています。

なお、諸外国の制度においても所得制限は設けないことが一般的です。

 

この時点で満額支給されれば年少控除扶養控除の廃止による節税効果減少と比べて、得するケースが多かったのですが、その後所得制限上述の960万円(子供二人、専業主婦のケース)が導入され、特例給付として一律5,000円となった方は明らかに節税分を下回り大幅に損となりました。

 

【2021年最新ニュース:児童手当に更なる所得制限】

2021年2月2日の閣議決定で、月額5,000円の特例給付についても年収1,200万円以上の場合は廃止される方向となりました。

この財源を待機児童の対策に充てるとのことです。これが意味するところは実質的に高所得な子育て家庭のお金を使って待機児童対策をする、ということです。社会全体で子育てをする、という話はどこにいってしまったのでしょうか。

 

高額所得者にとって月額5,000円程度なので大した金額ではない、といった意見もあるようですが、月額5,000円とはいえ、年間では6万円、子供が2人いれば12万円、3人いれば18万円です。1年間で見れば大した金額ではないかもしれませんが、15年間の総額で見ると、2人の場合は180万円、3人の場合は270万円です。総額で見ると少なくない金額だと思います。

 

また、手取りという観点では、高額所得者の場合は住民税と合わせて50%程度納税している場合もあり(所得税率は年間1,800万円以上で40%となり、住民税10%と合わせて50%になります。なお、所得が4,000万円以上で所得税率は45%で住民税と合わせて合計55%です)、年間で追加で18万円を手取りで稼ごうとしたら、その倍の年収としては36万円増やす必要があるということになります。そんなに小さい金額ではありません。

 

さて、年収1,200万円以上の方にとって、児童手当が廃止された場合、元々の2010年以前の年少扶養控除があった時代(繰り返しですが、年少扶養控除の代わりに児童手当導入という話でした)と比較するとどうなるか、というと以下のような計算例になります。

 

前提

・所得1,200万円

・年少扶養控除の対象2人

・税率が合計43%(所得税33%+住民税10%)

 計算

(今後の児童手当) 0円

(仮に年少扶養控除があった場合)38万×2×43%=約33万円

 

つまり年少扶養控除があった時代と比べて、単純計算で年間で約33万円手取りが減っていることになります。(更に言うと、この10年程度の間で、給与所得控除の上限が減ってきており、更に所得税最高税率も引き上げられているため、特に高額所得者にとっては、相当税金負担が重くなってきています)

 

個人的には子育て家庭に高所得も低所得もなく(勿論最低限の生活保障はすべきですが、それは児童手当とは別かと思います)、日本の将来を担う子供を社会全体で育てていく、というコンセプトからは平等に支援すべきだと思っておりますが、今後も更に児童手当について年収制限の引き下げ(今回は1,200万円)や夫婦合算での計算の導入(今回は世帯主の年収)などの可能性があるとのことで、注意してみていく必要があるかと思っています。

 

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