国立小学校受験の概要・特徴⑤(実質試験倍率)
過去2回にわたって、国立小学校の1次抽選および3次抽選(最終抽選)について記事を書いていきましたが、翻ってその二つの抽選の間にある、「実質的な試験=子供の試験の倍率」、について述べていきます。
各校とも最初の募集人数から最終の合格人数を見ると、10倍~70倍程度ですが、抽選を除いた場合、実質的な数字が見えてきます。
下記の倍率は子供の試験である2次試験の合格倍率で、括弧書き部分は各校の2次試験受験者数と合格者数を並べたものです。
・筑波大学附属:約10倍(2,000名程度が2次試験受験⇒200名合格、以下同じ)
⇒ただし、2021年度は約8倍(1,200名程度⇒約160名)
・お茶の水女子大学附属:約4倍(420名⇒100名)
⇒ただし、2021年度は約3倍(300名⇒100名)
・学芸大竹早:約8~9倍(約700名⇒約80名)
⇒ただし、2021年度は約6倍(約400名⇒約70名)
・学芸大小金井:約7~8倍(約1,200名⇒約160名)
⇒2021年度も同程度の模様
・学芸大大泉:約8~9倍(約1,200名⇒140名)
⇒ただし、2021年度は約13倍(約1,200名⇒90名)
以上のように、実質の試験の倍率は5~10倍程度と決して低くはないですが、特にお茶の水、学芸大竹早、筑波などの表面上出ている40~60倍といった全体の倍率よりはかなり現実的なものとなります。
また、1次抽選に合格しても(学芸大小金井等は出願しても)、受験しないケースがあるので、実質の合格倍率はもう少し下がります。
過去の経験では、学芸大小金井は結構不受験者がいた印象(2割程度でしょうか)ですが、一方お茶の水や筑波はさほど不受験者は多くない印象です。学芸大大泉もそこまで不受験者は多くなく1割程度だったように思います。
更に考慮しなければいけない点が、抽選も含めて子供が試験を受けられるかも分からないため、国立小学校は記念受験も含めて、さほど受験準備をしていない層も出願しており、1次抽選は実力とは無関係に決まるため(=しっかりと準備している方も、記念受験の方も通過する)、実質的な競争倍率はもっと低くなると考えられます。感覚的なものですが、例えば2/3がしっかりと受験準備をしている層だとすると、その中での競争となるため、実質的な競争倍率は3~7倍程度(5~10倍×2/3)、とも言えます。そうなってくるとぐっと現実的な数字に思えてきます。
コロナ禍の2021年度は1次抽選で更に絞り込まれるようになり、2次試験を受けられる数が減ったため、更に実質倍率は下がっており、最初の抽選に通れば、2次試験では4~8倍程度の倍率(ただし最終抽選がなくなった学芸大大泉はむしろ試験の倍率は難化)となり、先ほどの2/3が真剣に準備している層という前提で考えると、実質的な競争倍率は3~5倍程度で合格、となります。
いずれにしても、子供の試験の倍率自体は表面上の倍率よりもだいぶ現実的な数字ですので、1次抽選を通過できた場合には、そういう心持ちで2次試験を受験することが大事かと思います。
続きの1次抽選と3次抽選を合わせた合計の抽選確率に関する記事はこちらとなります。
【関連記事】
もしよろしければ関連する以下の記事も併せてご覧ください。